W638 Vクラス 透視図

Mercedes-Benz W638 V230 'late 1999'

Vクラス W638 PRODUCTION

FF方式のシャシーレイアウトを採用したスペイン生産のメルセデスベンツ、ワンボックス型ミニバンがVクラス。コードはW638と言われ、そのベースはVITOと言う商用車です。
エンジンは143馬力を発生する2300cc直列4気筒のDOHCが横置きに搭載されています。
正規輸入車のVクラスのグレードはV230とワーゲン製V6 2800ccエンジン搭載のV280があり、本国、ヨーロッパでは各モデルのマニュアルシフト、2000ccエンジン搭載車やCDIディーゼル搭載等の素晴らしいモデルもリリースされていましたが残念ながら日本には正規輸入されていませんでした。
このコンパクトでよく出来たエンジンで大柄なボディを引っ張るためインパネセンターに配置されるシフトゲートを持ったZF製の4速ATが組み合わされています。

サスペンションはフロントがストラット、リヤはセミトレーリングアーム。フロントサスペンションは通常のコイルスプリングが組み合わされていますが、日本に正規輸入されたモデルではリヤは電子制御エアサスペンション方式でセルフレベリング機構を備えています。
Vクラスの特徴でもある開口部の広いスライディングドアをボディ中央の左右両側(正規輸入車)に配置してあり、スライディングドアは高さ約1.28m、幅約1mのワイドな開口スペースはFFドライブの利点でドライブトレインがメインフロア下に来ないため足元が低く、子供や老人にとっても足の上げ下ろし、乗り降りのしやすい低床フロアとして設計されています。
シートレイアウトは前から2-2-2名の6名定員で、全席セパレートタイプのシートとなり総てのシートに肘掛が付いおり2、3列目はどのシートも脱着が自由に出来るようになっています。 また後席シートバックを前向きいっぱいに倒せばテーブルにもなり、そこから持ち上げ折りたたんだ状態にしてのスペースをカーゴエリアとして使用する事が可能です。
ハイエンドチョイスとしてレザーシートやカーテン、シートヒーター、デュアルガラスサンルーフ、5連CDチェンジャー、テーブルやドリンククーラーがオプション設定されていました。

安全面ではデュアルエアバッグ、ABS、ASR(アクセレレーション・スキッドコントロール)、プリテンショナー付きシートベルト、盗難防止イモビライザーも標準で装備され、1999年後期モデルからはキーもジャックナイフ式(折りたたみ型)になっています。
尚、正規輸入車は右ハンドルのみの設定になっており、シートやアクセルの位置等、フロントのタイヤハウスとの関係上ドライビングポジションは少し左向きにオフセットされています。

今でも多くの人の視線を引き付ける個性的なスタイルの初代Vクラスも2002年モデルを最後に正規輸入が終了し後継車と言うよりもまったく新しい設計で後輪駆動方式を採用したW639ビアノに生まれ変わりました。
また現在ではそのスタイルはそのままに、車名をVクラスに戻しメルセデス製V6、3500ccのビアノから3700ccにスープアップしたエンジンが載せられ、オートクローズドアも採用するなど、ようやく国産車並みの豪華装備を得ています。
平成20年にはエンジンを伝統のM型DOHC.3500ccを採用しさらに高級車としてのアイデンティティを受けています。

photoW638 Vクラス V230の主な概要
全長4670mm 全幅1890mm 全高1890mm
ホイルベース3000mm トレッド前1620mm 後1630mm
最低地上高160mm 車両重量1940kg(サンルーフ、ルーフレール無し)
ガソリンタンク容量 約80L